「きらら」と「配信者」の関係が有りそうで無さそうな話

はじめましてこんにちは。

よく来たな。

私の名前はモサ。

しがないきらら好きだ。

 

世はまさに大配信者時代。お前が好きな配信者やVTuberは何人いますか?ちなみに私は0人です。書くの止めちまえこんな記事。

それはさておき、今という時代が配信者に溢れていることは間違いありません。聞くところによると日本国内のVTuberの数はイラストレーターよりも多いとか。もはや猫も杓子もVTuberである。

さて、何でこんな話をしているのかというとまぁタイトル通りなんですが、今回はきららにおける動画配信ものや配信者の扱いについて調べてまとめようというものです。単独の作品についてではなく総論めいた話をする訳ですが、この手の記事は下調べがクッソ面倒であるということを知っておいて頂けると助かります。生暖かい目で見守って欲しい。

それでは、行ってみましょう。

 

①配信者の歴史

最初は本題に入る前に、日本国内の配信者にまつわる歴史を軽くまとめていきたいと思います。私は背景を大事にする男だ。

とはいえ一つ一つを丁寧に解説していく気はないので箇条書きでザッと流していきましょう。細かいところは各自で調べるように。

 

・2006年:ニコニコ動画がサービス開始。

・2007年:YOUTUBE日本版がサービス開始。

・2010年前後:ゲーム実況配信など、配信という形態が広く知られるようになる。

・2011年:HIKAKINが活動開始。

・2016年:キズナアイが最初の動画を投稿。「バーチャルYoutuber」という概念の先駆けとなる。

・2017年〜2018年:VTuber界隈が一気に盛り上がる。「電脳少女シロ」「ミライアカリ」「バーチャルのじゃロリ狐娘Youtuberおじさん」「輝夜月」がVTuber四天王として一般オタク層にも広く知られるようになる。また、現在のVTuber界隈の代名詞とも言える「にじさんじ」「ホロライブ」がスタートしたのもこの時期。

 

何か最後だけ長文になって申し訳ないが、その時期に色々あったのでしょうがないね。簡単に順番をまとめると、動画サイトが出来る→配信者が生まれる→VTuberが生まれる、という流れである。別にテストには出ません。ちなみにどうでもいいことですがこの流れを見ればある程度は察すると思いますが、VTuberの中の人の大半はその前に顔出しの配信者をやっていた人だということはまことしやかに言われています。どうでもいいですね。

 

②きららにおける配信者を題材にした漫画

さて、ようやくきららの話に入ります。ここではきららにおける動画配信、又は配信者が重要な位置を占めている漫画を紹介していきましょう。ちなみに単発回でチョロっと触れただけとか、サブキャラがやってるだけとかいうのは除いていますが、もしかしたら何か抜けてるのがあったらゴメンね。

 

・合体アイドル!スノウちゃん

ぷらぱ氏はR-18!の方が有名なのでこっちはちょっと影が薄いかもしれない。一人のアイドルを四人がそれぞれ役割分担して演じているという話であり、バラバラな四人の奮闘を面白く描いています。

 

・みらいちゃんねる

女装した少年が動画配信する話。正直ショタが女装しておねショタやってたことしか覚えていない。

 

・本日わたしは炎上しました

炎上系Youtuberを題材にした漫画だったが、作者が炎上したため1巻も出ずに打切りとなった。そんな伏線回収はいらない。

 

・しあわせ鳥見んぐ

メインとしている題材はバードウォッチングなので入れるかどうか迷いましたが、「主人公が鳥の着ぐるみを着て鳥を紹介する動画を撮っている」という点は無視するにはデカすぎたのでやっぱり入れました。

 

・お姉様のVな事情

隣の綺麗なお姉さんが実は酒クズ系VTuberだった、という話。酒クズなので割と酷いネタが多いぞ。

 

・Vドルあーかいぶ!

元々アイドル志望だった主人公がVTuberを始める話。本作の特徴として「企業」「グループ」といった現在のVTuberを語る上では避けて通れない要素も取り入れられていることです。

 

・ひよ&びびっと!

人気Youtuberが隣に引っ越してきた!という話。あやもりんは割と体当たり系のYoutuberです。

 

・Vドライブ!

未知のウイルス「Vルス」を倒せるのはVライバーだけ!というファンタジーちっくなお話。配信で投げ銭してもらうとパワーアップするなど、どこか世知辛い設定も。ちなみにまだ始まったばっかりです。

 

さて、ここまでザッと触れてきましたが、ここでもう一つ触れておきたい作品があります。それはコレです。

この記事を書くために久しぶりに読み返したのですが、「あれ、こいつらタイトルの割に別に動画配信してないな……」ということにさっき気が付きました。だから上の方には入れなかったのですが、話の流れとして「動画サイトで見たものをやってみる」というものが多く、動画が作中においてとても重要な役割をしているということで敢えて触れさせてもらいました。ちなみに2巻は出ていません。

 

さて、これで大体触れておくべき作品には触れたのですが、これ以外にもある意味印象に残っているものを幾つか挙げておきましょう。

・ぼっち・ざ・ろっく!のぼっちちゃんは演奏動画を上げているが配信はしていない(はず)。ライバルグループのSIDEROSはチャンネルを持っている。

ステラのまほうでは同級生とのキスシーンを配信して炎上した奴がいた。

・monoでは様々な映えについて触れられる中で動画についても言及されることも多い。

・ササエルの中には誰もいないでは、PRとして動画配信する回も多い。

 

③総括(という名の本編)

やっと本番だぞ。

ここまできららと配信者についての前提知識を共有してもらったところで、いよいよ何となく私が思っていたことについて一緒に考えていきたいと思う。

 

「配信者を題材にしたきらら漫画って、何かすぐ終わらない?」

 

・そもそも論

上で挙げている作品の巻数を見れば分かる通り、配信を題材にした漫画は大体2巻以内で終わっています。唯一しあわせ鳥見んぐだけはまだ続いているのですが、コレは配信よりもバードウォッチングの方が比重大きいよな……と思っているので難しいところです。何できららの配信者漫画はすぐに終わってしまうのでしょうか。

と、ここまで話した上でそもそも論をするのですが、そもそも配信者を題材にした漫画って他社でもそんなにヒットした作品無くない?という意見です。これは私が知らないだけでどこかに名作があるのかもしれませんが……

 

・配信、配信者の魅力とは

これは配信者に一切ハマっていない私が考えるのが大変に大変な話なのですが、それでも無い頭を振り絞って考えていきたいと思います。

何故みんなは配信を観るのでしょうか?

勿論、その配信や動画が面白いというのはあるでしょう。しかし、昨今では配信者自体にファンが付くことは珍しくないどころか普通のことでさえあります。それは何故でしょうか。

私が考えた一つの理由は「双方向性」です。これはVTuberにより顕著だと思いますが、コメントを読んだり、リアクションをしたり、時には一緒にゲームをしたりと、VTuberはテレビの芸能人とかと比べるとより「距離が近い」存在と言えるのではないでしょうか。一方的に観測するだけではなく、コミュニケーションを取れる(ようにみえる)存在として、今までの有名人とはまた違うポジションとしてVTuberはいるのではないかと思います。

 

・つまりそれを漫画にすると

そのことを踏まえると、これを漫画や、漫画に限らず創作に落とし込むことは、実は凄く大変なことではないかと思います。

配信の魅力が上で挙げた双方向性にあるとしたならば、それを漫画でやろうとしたら読者の突っ込みや要望に即座に反応する漫画でなくてはなりません。無理だろ、それは、物理的に。

漫画に限らず創作は基本的に一方通行で作者から読者に供給されるものですし、一応読者の意見が作品に影響を与えることは無いことは無いでしょうが、それをメインスキームとする作品はあり得るのか?という疑問はあります。

つまり、創作という場は配信というテーマが非常に扱い辛いと言えるのです。

 

・もし漫画でやるなら

もし配信と同じ魅力を漫画で出そうとするなら、それは漫画家個人のファンになるようにするということですから、ルポ漫画やエッセイ漫画が近いのではないかと思います。これだったら読者の声をすぐに作品に取り入れたり、又は読者を作品に出すなんてことも出来そうですからね。

余談ですが、最近はイラストレーター兼VTuberという人も珍しくないですね。もう何が本業なんだかよく分からない人もいますが……

 

・配信者をメインキャラにするということ

話を若干戻しまして、配信者を漫画のメインキャラにした場合、当然ながら話の中心は配信に関することになります。それはそうですね。しかしここで一つ問題がありまして、配信者をメインキャラにすると「ありがちな話が多くなりがち」というものです。これはまぁ当たり前で、配信者で配信ネタをやる訳ですから当然配信あるあるネタが多くなるのですが、あるあるネタは共感を得やすいのと同時に新鮮味がないという欠点もあるんですよね。まぁこれは一概に全部駄目とも言えないので難しいところなのですが……

 

・「ひよ&びびっと!」の革新部分

最後に直近のきららの二作品についてもう少し詳しく触れていきたいと思います。まずはひよ&びびっと!です。

ひよ&びびっと!の革新部分は、あやもりんは有名人気Youtuberですが、それが作品の主題とは少しズレたところにある点です。この作品の主人公はあやもりんに憧れるひよであり、ひよはあくまであやもりんのファンなので動画に積極的に出演することはありません。つまりファン目線=読者目線に近いキャラであり、どうしてもいきなり愛着を持つことは難しい作中のキャラに自然と親近感を持たせてくれるキャラになっているわけです。勿論あやもりんはあやもりんで魅力的なキャラですが、それを引き立たせているのは間違いなく主人公のひよちゃんのおかげと言えるでしょう。

上でも少し書いた通り、配信者をメインキャラとする場合、どうしても配信者視点で話は進みがちです。しかし本作は視点を変えてファン目線で話を進めることで、Youtuberというテレビの芸能人とはまた少し違う憧れの人との距離感を描いていると思います。これも一つの新しい配信者漫画の形と言えるのではないでしょうか。

 

・「Vドライブ!」が示すVTuberの新たな可能性

もう一作品はVドライブ!です。こちらはVTuberを一つのシステムとして使っているのが特徴的です。これは作品の構成としてはむしろ魔法少女ものや変身ヒロインもののそれであり、敵が現れて変身してやっつける!、というニチアサとかではお馴染みの流れですが、その舞台装置としてVTuberを使っているということです。VTuberという「ガワ」を被ることと、変身ヒロインが「変身」することで正体を隠すということは本質的には同じことであり、そしてそれが力を与えてくれるという点はVTuberに新たな視点を与えていると言えるでしょう。

これは何万回と言われていることですが、現在のVTuberは完全にバーチャルな存在ではなく、生身の人間の仮初の姿という意味合いが支配的となっています。それが良いか悪いかはさておき、VTuberが現代の理想実現の一つの形であり、憧れの対象であるという事実は無視できません。それ故に「VTuberはヒーロー・ヒロインである」という側面を強調している点で本作は興味深いと言えますね。

 

以上です。

いかがだったでしょうか?

この記事を書いたキッカケは真ん中ら辺で書いた通り、「配信を題材にした漫画ってそれなりにあるけど何か続かないよな〜」という想いであり、いつかどこかでまとめておきたいと思っていたので今回まとめました。最後に取り上げた二作品は長く続いてくれることを祈っています。

 

それでは、またどこかで会う日まで。

さようなら。